このレビューはネタバレを含みます▼
丸木さんお得意の病んでる系ですね。
子どもの頃から辛い目に遭っていると、ひとつの対策として出てしまうと、一時期精神医学の世界で話題になった症状を抱える主人公。
そして、そんな主人公だからこそ、より溺愛する相手という、丸木さんの真骨頂ですね。
お医者さんや科学者は、彼らが定義した健康という枠からはみ出している人を分析し、研究し、健康という枠の中におさめようと四苦八苦します。
しかし、そのいびつさこそを愛して、大切にしまいこんで可愛がるという、違う道に個人的に走っちゃうけど、本人たちは幸せなのって、どういう展開かな~という丸木さんの想像力の賜物ですね。
でも案外、現実にも当てはまることかも。
周囲が障害や欠点と捉えて、なんとかしなきゃと思っていることも、家族や親しい人には、
それはひとつの個性で、かえって愛しいことってありますよね。
そういうことが、少し大げさに描いてある作品です。
あばたもえくぼという言葉を解する方にオススメです。