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今月(11月1日~11月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 妹なんか生まれてこなければよかったのに -きょうだい児が自分を取り戻す物語-

    うみこ

    お姉ちゃんの心の葛藤がリアル
    ネタバレ
    2025年8月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 中度知的障害の妹がいる姉です。私の妹は、障害の程度は桃乃ちゃんよりは軽いですが、主人公の透子ちゃんの置かれている立場や友達との関わり方(高校からの友達は妹の障害を知らないこと等)がとてもリアルで、自分のことを思い出して泣いてしまいそうになりながら読みました。タイトルの「妹なんか生まれてこなければよかったのに」は私も何度も何度も妹に対して思ったことです。作中で主人公が「小さい頃の自分が救われた」気持ちになったように、この作品を読んでいて、私も小さい頃の自分を抱きしめてもらったように感じました。本当に感謝します。
    現実に綺麗事はないし、でも綺麗事で済まさなければならないこともあるし、この漫画の終着点も「こうなればいいな」という願望ではあるけれども、私たちは「こうならないかもしれない」という恐怖を常に抱きながら生きていかなければならないわけで。彼の弟の入所先が決まらないまま終わるのもリアルな描き方で良いなと思いました。
    私も結婚したいと思う相手がいて、将来的に子どもも欲しいと思っていますが、相手もあることなのでこれからどうなっていくのか日々不安でいっぱいです。きょうだいという立場で障害者と向き合うことはこれからも続いていきますが、迷った時にこの作品のもとに帰ってきたい、そう思える素敵な作品でした。
    【追記】
    「この親は毒親」という意見をみかけたので、黙っていられず、思ったことを。毒親と断罪するのは簡単です。でも、当事者が「ダメな親だったな」と反省することと、当事者ではない人が簡単に親を非難するのは全然違うと思うんです。
    やっぱり家族であることからは逃れられない、そして完全にきょうだいのことを嫌いになりきれない、主人公の透子ちゃんのような温度感の人が多いのではないかなと思います。一方で自分の人生を歩きたいという気持ちも大いにあります。
    そして、この話でもお母さんがパートを辞められなかったように、親にもその気持ちはあると思うんです。私も自分が子どもを持ってもおかしくない年齢になって、「親だって自分の人生を生きたいと思って何が悪いの」とも思います。
    もっとこの作品の深いところに目を向けて、多くの人が「自分の恋人がきょうだいだったらどうする?」「自分の子どもに障害があることがわかったらどうする?」と考えてくれるきっかけになったら嬉しいです。