このレビューはネタバレを含みます▼
不死身であるフシが人や動物とふれあい、どうにもならない死を見送っていく、出会いと別れがあまりにもつらい。
つらいが、その一人一人の人生が決して軽いものではなく、フシに感情や人間性、大きな影響を与えて去っていく。
別れに至るまでのその過程が温かなものであり、悲しさだけを残さないのが作者の巧みさだろうか。
当面の敵であるノッカーと、ノッカーと人間の中間に位置するハヤセの子孫たちとの戦いや関わりについても先が気になって仕方がない。
ひたすら出会いと死別と亡国が描かれていて、読み進めて辛く思うこともあるけれど、それぞれのキャラクターが魅力的であるからこそこれほど愛着も湧き、心揺さぶられる作品になっているのだと思う。