サディスティック・ビューティー～真田×辺見編～【タテヨミ】
Woo Yeonhui/Lee Geumsan
このレビューはネタバレを含みます▼
元々サディスティック・ビューティーが好きで今回の番外編を購入しました。
序盤は純粋にSMの描写や狂った真田の様子を楽しんで読んでいました。恐怖に染まる辺見を見てこんな風に人は身体的・心理的に支配されるのか、こうやって心が壊されていくのか、と考えたり。
しかし話が進むにつれ、真田の持つ愛に対する歪んだ認識についてとても考えさせられました。
温かな家族の愛を知らず、冷たくしたり傷つけたり支配することでしか人を自分のそばに留めておけない真田が心底可哀想に思え、徐々に弱々しく子供のようになっていく姿に少し同情してしまいました。
序盤は真田に対し暴力的で救いようのない男だと思っていましたが、あまりに可哀想でむしろ被害者である辺見の方に彼の手を取ってあげて欲しいとさえ思いました。
本編では本当に辺見は嫌な男でしたが、真田の元に囚われてるうちに自分のこれまでの行いや自分の性格を顧みて大きく変わりました。(同時に心もだいぶ壊され、自己肯定感0になりましたが)
愛とはなんぞやを全く理解していなかったあの辺見が、真田の暴力的で勝手な言動に対し正論をかましまくり、むしろ真田に誰かを愛するという気持ち、そして愛し方について改めて気付かせる立場になっていて驚きです。
単純に真田が辺見をそばに囲い好き勝手楽しむ、というだけだったらよくあるSMものという感じでしたが、こちらはストーリーと人間の心理描写を凄く楽しめる作品でした。
あとやはり肉体の描写や行為の描写がここまでセクシーな作家さんは中々いらっしゃらないので本当に大好きです!!
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