このレビューはネタバレを含みます▼
⚠めーーーーーっちゃ長文レビューです。買うか迷ってる人は前半部分だけ読んで!
めちゃくちゃ久しぶりに読み返したらあまりにも素晴らしかったのでレビューしました。スタンディングオベーション。
全体的な印象としては時間がゆっくり、淡々と進んでいく感じかな。物語に大きな波を求めている人には物足りないかもしれないです。(2,3巻はそんなことないかもしれないけど笑)
私は個人的にその場の空気感が感じられるような、優しいお話がすごく好きなのでぴったりでした。
まずは本当に、総じてお話の作り方が綺麗。本当に初めてですか...?2,3巻は最初読んだ時、うーん??となる所もあったのですが、もう一度読み返してみると大体理解できました。ここのシーンはここと繋がってるんだとか、これはこういう意味だったんだとか、点と点が線で繋がっていく感じがすごく面白かったです。考察とか推理とか好きな人、絶対この作品が好きだと思うな。
家族のような存在の人や、心の底から愛している人に自分の存在が忘れ去られてしまうことって、本当に本当に辛いことだろうな.....と思います。経験したことないから、共感することはできないけど...😅
でも、お互いに全てのことを忘れるよりかは、お母さんにシャハルという愛しい子どもがいたこと、そしてミカエルにもまた1人愛した弟がいたこと。それがベニーの記憶の中に事実として残っていることだけはまだ救いだったのかな、と思いました。ベニーにとっても、天界のみんなにとっても。
シャハルが実は飛べなかったくだりとか、蘇生を頼んだとことか、ミカエルって無表情で冷たい印象だけど、心の底からシャハルのことを愛していたのだなと....泣 最後の「愛しているよ」というセリフは、涙腺崩壊必至でした。きっとミカエルも、忘れることが辛いだろうに。
最後のシーン、ベニーが "誰か" としてミカエルの記憶に微かに残っていて本当に良かった。
めちゃくちゃ個人的な話、いと先生が最後までシャハルの本名を明かさなかったのがすごく好きです。記憶を消す前の中盤でも、結局物語の最後で忘れ去られてしまうからか、最初から「忘れ去られた存在」になってるのが素晴らしい、これも伏線なのかな。
結局、物語のMVPはサタンでした。お前かーい!
とにかく、総じて本当に本当に素晴らしい作品でした。いと先生に感謝!大好きです♡