このレビューはネタバレを含みます▼
この作品が好きすぎてなかなかコメントを書けずにいたのですが、皆さまの思慮に満ちたコメントに感銘を受け、拙いながらもコメントを書かせていただこうと思います。
この作品を読み始めた当初は、余白がありながらも肝心な部分はきちんと描かれている美しい絵とストーリーに心を惹かれ読み進めていたのですが、そこには家族への思いやりや、やるせなさ、引け目、自分へのどうしようもない気持ちなど、普段おそらく誰しもが感じているであろう感情が無理なく丁寧に描かれ、それらが優しく、静かな雨のように心に染み込み、感情を揺さぶられていきました。
生活の中で見過ごしたい感情をきちんと深い部分で抱えながら、静かに、誰のせいにもせず人生を生きる二人の姿に胸を締め付けられ、読み手である自分の感情にも向き合わざるを得ず、つらくも手放せない感情が露になります。
二人のように静かに優しく、愛を持って生きられたらどんなにいいだろうか。そこには自分が失ってきた、静かな美しい感情があり、涙を禁じ得ません。
それとともにこの作品の中には、日常の見過ごしてしまっているような風景(街路樹、電柱の灯り、住宅地、脱ぎ捨てられた靴…)それらの一つ一つが丁寧に描かれ、その中にも波真田先生の深い眼差しを感じ、心を打たれ、自分でもわからない心の深い部分が締め付けられ慰められるように感じます。
登場人物の心の機微、絵の美しさ、全てが胸に刺さり、この作品なしでは生きていけないような感情で胸が一杯になります。
このような素晴らしい作品をありがとうございます。これからも心より応援しております。
追伸
書き下ろしや小冊子の中で描かれる、本編から少し離れた(離れてはいないのだけど)二人のストーリーもとても好きです。二人のよりリアルな関係性を見せてもらえているようで…。
コメントであるはずなのに、手紙のようなとりとめのない文章になってしまいすみません。これが私の今書ける精一杯の心からの文章です。