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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 生まれ変わるなら犬がいい

    堤葎子

    愛したいは愛されたい。愛という欲望
    ネタバレ
    2026年1月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 父親からの愛情を手放したくない。無かったことにしたくない。だからシルクを愛した。シルクは、父親からの愛情の証だった。
    シルクを狂うように愛していたのも、結局は「誰かに愛されたかった」からだと思う。愛を感じたいのに、誰からも与えられない。だから自分がシルクを愛すことで、その欲しかった愛情を自分の中に生み出していたのではないか。
    「愛したい」ではなく、「愛を感じたい」という欲求が先にあって、その受け皿として“シルク”という存在を選んだだけだったのかもしれない。

    マキが女装して看病してくれたとき、みさりは1人になってはじめて“人からの愛情”に触れた。 人から愛情をもらえるという事実に気づいてしまった瞬間から、現実が見えはじめ、幻想は少しずつ溶けていく。
    マキがシルクとしてそばにいられたのは、マキ自身もまた愛情に飢えていた存在だったから。 欠けた者同士が、一時的に依存し合うことで成立していた関係だった。
    だからこそ続かなかったし、 だからこそ“正解の形”にもならなかった。
    みさりは目の前にいる存在を本当に愛してない。
    犬のシルクすら父親からの愛情を見てたし。
    愛はくれるから表面的に居心地は良いが、ありのまま"自分"が愛されてないと気付き、反抗的になり逃げ出す。シルクもマキも同じ、耐えられなくなっていった。
    唯一無二のありのままの"自分"として生きられる居場所を見つけるために、 最後は留まらず、傍を離れたのだろう。
    人間は結局、自分の関わりたいように人と関わっている。 「相手のため」と言いながら、それもまた自分のしたいようにしているだけだ。
    自分が傷つきたくないから。 相手を見捨てたとき、自分の心が耐えられなくなるから。
    皆、あの家から離れられた。 それがこの物語のハッピーエンドだと思う。
    それは物語的な救済ではなく、 精神的な解放としてのハッピーエンド。
    誰も完全には救われていないし、 誰も完全には満たされていない。それでも 「幻想の檻」からは、確かに出ることができた。
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