このレビューはネタバレを含みます▼
ろう者や難聴者、手話を題材とした作品が増えてきた中で、CL表現まで扱っている作品を初めて読みました。CLについてはうっすらとしか知識がなく、この作品で調べるきっかけになったこと感謝しています。
BLとしても面白く、ろう者と健聴者の2人ということで表情や動きで伝えよう、汲み取ろうとしている様子が読み手にも伝わってきてとてもきゅんきゅんしました。
気になった点としては、ケイトの発音している時の吹き出し台詞の表現について。1文字だけ斜めになっていたり、母音になっていたりする表現は、正しい音のつもりで発音しているろう者や難聴者からしたら不快には思わないのだろうか…と気になりました。(私は健聴者なので当事者達の気持ちは想像でしか分かりませんが…)
加えて、ケイトが話す時にたまに接続詞などが無くカタコトのような台詞なのは意図的なのかな?と思いました。例えば「おれのことたくさん知りたいしてる」という台詞、「知りたいと思ってる」や「知りたい顔してる」の方が喋り言葉としては自然かなと思いますが、手話で表現すると「知りたい」「してる」になるからケイトの発語台詞も合わせているのかなと思いました。ケイトが日本手話を使うからこういう表現なのか…?と思いながら読んでいたため、もし機会があったら表現方法について制作秘話などあったらなぁと思いました。
長々と気になる点など書いてしまいましたが、お話は凄く面白いですし、2人のこの先が気になってたまりません!
厘てく先生の絵による表現力にも感嘆させられるばがりです。2巻も楽しみに待ってます。