このレビューはネタバレを含みます▼
特別攻撃隊の方たちを心から尊敬して止まないので、最初はこの作品は読んだらいけないと思ったんですが絵に惹かれて購入。そして、1話を読んだあとに志津摩の相手の【やぎさん】が気になって八木正蔵編を購入しました。
八木中尉の男らしさ、男らしさの中に見える人間本来の死への怯え、恐怖と志津摩の可愛らしさと心の闇に引き込まれ、二人の世界に飲み込まれました。
八木中尉は八つ当たり制裁なんてしていなくて、部下の搭乗員を守る責任ゆえの制裁だと思いました
そして命の重たさを大切にしながら戦闘に出ていること、お国の為にと命を軽く投げ出すために軍人になったわけではないこと、おそらく腕の立つベテランの搭乗員であることが伺えます。
人は自分の全てをさらけ出せる人に出会うと穏やかになれるということを実体験や八木中尉の姿を見て感じました。
そして志津摩の八木中尉の恐怖や不安を受け入れる受容の力の大きさに女性性の度量を見ました。
これは全女性に必要な受容の力だな…と。
何回も繰り返し読んでしまうほど中毒性があります。
そして読めば読むほどのめり込みます。
二人の愛の向こう側にある【絶対の死】が物語をより切なく、悲しくしてます。
そして、漫画だからこそ二人が報われてほしいという思いが止まりません。
現実の世界では絶対に報われることはなかっただろうから…
特別攻撃隊を擁護してるわけではありません。
絶対的にあってはならない過去の歴史です。
ですが、この物語に純粋に切なくて苦しくて涙が出てきました