このレビューはネタバレを含みます▼
坂ノ上少佐編。完結する事は予想していましたが、今までの登場人物と違い、特攻で最期を迎えるシーンが鮮明に描かれていて、胸が焼けるように痛くなりました。
負傷して意識が朦朧とする伴、視界が歪む坂ノ上少佐。その描写から伝わってくるのは、戦いの緊張と、終わりを迎える絶望感とその先の開放感。
ページをめくる手の中は、汗と震えが止まりませんでした。
最初から最後まで、所々で伴の発した言葉の意味が分からず終いだったり、本当か否か定かじゃない、何か隠して敢えて当たり障りのない事を言っているようだったり…。
結局、伴という人物は掴み所がなくミステリアスなままでした。ですが、そこが読者を惹きつける彼の魅力でもあります。
もし神や仏がいるのなら、どうかどうかどうか。
伴や坂ノ上少佐、戦争で命を落とした人達みんな、もう戦いなんてさせないで。こんな辛い思いをさせないで。