このレビューはネタバレを含みます▼
夫にばかり執着し娘に見向きもしない妻、そんな妻を疎ましく思う夫。そんなギクシャクした家庭の中で育ったヒロインのヴィオレット。
母が亡くなってまもなく義母と義妹メアリージュンがやってくる。
親や好きな人に愛され何もかも持っている妹のことが妬ましく、殺人未遂まで犯して投獄されていたのに、事件の1年前にタイムリープしていた…!
2度目になるとヴィオレットが優等生で善人キャラ的な立ち位置になってしまい、とにかく波風立たないように強くはっきり言えなくなってるのが遠慮がちな人に見えてなんだかもやもやする。
ヴィオレットが殺人未遂まで至った元凶とも言える父親。こいつが最悪。姉がどんなに頑張っても妹しか見ていない。家庭環境めちゃくちゃにしといてどの口が言ってんだってブーメランな言動しかしていない。ヴィオレットは何故こいつに殺意が湧かないのか不思議なくらい。
義妹メアリージュンはいい子ちゃんに見えるけど、父から自分は褒められて尊敬してる姉だけ叱られてるのを本気になって止めないあたり、所詮温室育ちで自分可愛いの偽善者。完璧な姉と慕って金魚のフンみたいに毎度つけ回してくるのがかなり目障り。1度目でも2度目でもどっちにしろヒロインである姉がマジで可哀想で同情する。
そしてその現場でいた義母が一緒になって叱るでも褒めるでも咎めるでもなく、いるだけなのがなんだか気味悪い。
1度目に好きだった生徒会長のクローディア王子にも、2度目は妹とくっつける作戦で好き好きアピールしなくなったことで、意図せず押してダメなら引いてみろ状態になり逆に慕われる羽目に。
姉が妹をいじめてると思い込んでたくせに手の平返しでコロッと落ちるのちょろい。こんな思い込みの激しい俺様王子に惚れられて可哀想とこれまた同情する。
王子の側近の副会長?がずっと余計なことしてるのもイラつく。
幼馴染のユランはヴィオレットを一途にずっと思い続けてて頑張れ!と応援したくなる。でももう少し強気に行ってほしい。
今のところユランと侍女マリンが唯一の救い。この2人も(というか味方だけ?)タイムリープしてる説。
主人公の意図した方向とは違う悩ましい展開とか、絶妙に不快なキャラの個性とか、良くも悪くもいかにも日本人らしい作品。
どうやら原作小説とはかなり違うらしく、そちらは読んでいないので今後どうなることやら…ざまあ展開ではなさそう。