このレビューはネタバレを含みます▼
黒い海の化け物から村人を守り、呪いを受け命を削りながら覡としての宿命を背負い生きる巫女のエルヴァ様。エルヴァ様は芯が強く、覡としての役割を果たす一方で、呪いから村人より忌み嫌われ、人とは距離をとって生活していました。
そんな中、村人に住む少年アルトはエルヴァ様と出会い、黒い海の化け物や覡の仕事を目の当たりにします。一緒に過ごしていく中で、エルヴァ様の強く逞しく生きる一面と、孤独で寂しい言葉や表情からアルトはエルヴァ様のそばにいたい、呪いから解放したいと思うようになります。その言葉を聞いて、エルヴァ様自身も、心を開いていきアルトをとても大切に感じる様になります。
お互いにとってお互いが大切であり、なくてはならない存在へ変化していく様がとても丁寧に描かれています。
アルトのエルヴァ様大好き描写がとてもかわいいのですが、エルヴァ様が時折みせるアルトへの優しい顔や、笑顔、嫉妬などのギャップも堪らなく萌えます。
恋人のような、母のようなエルヴァ様は女神でとても美しい…のに覡の宿命に仕方無いと話す姿やアルトを大事に想う姿をみているととても切なくなります。そんなエルヴァ様を救いたいと想うアルトの存在は大きく、出会えて本当によかったなと感じられます。
覡の謎や黒い海の化け物の真相が少しずつ明らかになっていきますが、ストーリー構成やキャラクターの心情描写が魅力的で読み入ってしまいます。エルヴァ様とアルトの2人以外も登場するキャラクターが魅力的で今後どのように関わってくるのか楽しみです。
まだお話は続いていますが、1巻だけでもボリューム満点で読み応えたっぷりです。ユノイチカ先生の綺麗な絵と魅力ある世界観、キャラクターがとにかく至高です。ワンコ攻め、強くて芯がある美人受けが好きな人はもちろん、「夜明けの唄」はストーリーがとても丁寧でハラハラドキドキする展開は読んでいて惹き込まれていきます。電子おまけの1枚もとにかくかわいくて、アルトとエルヴァ様の日常をずっと読んでいたいなと感じました。
待ちに待った大好きな先生のデビューコミックス、たくさんの人に読んでいただきたい作品です。素敵な作品を生み出してくださりありがとうございます。