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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 水底の花嫁

    山野辺りり/DUO BRAND.

    溺れるような
    ネタバレ
    2017年10月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 苦しみを抱えた2人の描写、記憶が断片的に引き出されていく過程、所々に真実を誘引するものを交えながらの構成と展開、秀逸でした。後半、ヒロイン視点の後にヒーロー視点で同じ場面がでてきますが、描写の仕方の違いやそこに辿りつくまでの流れも一際卓絶しています。台詞や情景の相違に真実の詳細がわかる前と後という事もあって、同じ場面であってもどちらも臨場感がありました。個人的に最も心を掴まれたのはヒロインを想うあまり心身共にボロボロになったヒーローの打ちひしがれた姿と激しい内面描写でした。この場面は特に何度読み返しても涙腺が緩くなります。ヒロインへの酷い行為は衝撃でしたが、それ自体にページ数を多く割かずに葛藤が前面にでていたのも良かったです。ヒーローの脆い部分を包み込むようなヒロイン描写も素敵でしたし、苦悶する溺愛ヒーローのズルさにもつり込まれてしまいました。罪の意識に苛まれながらも抑えられないという感じが何ともツボです。巧みな心理描写にすっかり気持ちが持っていかれつつ、話自体も引き込ませる進み方で凄く好きな作品となりました。
  • 初夜から始める愛ある生活

    ささきさき/千花キハ

    情緒のない初夜から始まる夫婦
    ネタバレ
    2017年6月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 求める気持ちはあるのに体はそうならず、閨での事情に悩む夫婦が心身共に結ばれるまでの話です。初めの方はラブコメとあるように、グイグイいこうとする妻フランチェスカと押され気味の夫レオバルトのやりとりに笑える展開で進みます。「潰す」発言で一気に情緒のない初夜になる場面は可笑しいけれど、この夫婦の始まりはここからという感じがしてそういう意味でも印象的です。途中コメディと言い切るにはキツイ描写が入ってきます。テオバルトの不能となった原因が重いです。それでも、物語自体は概ね明るい感じでキャラが楽しく動いていきます。主役夫婦の他にレオバルトの部下フィフと女装好きなベルドランドとの恋模様も描かれて、各キャラの内面的な部分を掘り出すような描写がでてきます。シリアスな場面がある一方で夫婦間の可愛い描写もあり、コメディ描写もありで全体的には確かにラブコメ仕様だと思います。只、中身的にはTLでもあるのでそういう描写にもきっちりページを割いていて濃度は高めです。読んでて特に引きつけられる所は無かったですが、面白味は感じました。個人的には気楽に読むには原因がなぁと思いつつも、暗い部分もある事で話が繋がりを持って穏やかにラストを迎えたようにも思えるので読手の好みによるかもしれません。
  • 制服の恋情 身代わり結婚ノスタルジア

    蒼磨奏/Ciel

    情の籠ったやりとり
    ネタバレ
    2017年5月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 婚姻後に贈る愛情の籠った恋文がとてもいい感じです。内容もそれを受け取る経緯にもじんわりきました。夫婦間のやりとりも変化していくのが楽しいですし、初夜での軽快な返しに始まる鈴ちゃんの躊躇いのない会話の切返しが好きです。押し倒された状況でも宵さんを黙り込ませた台詞がなんだか少し笑えてこういうヒロインもいいなと思いました。「情を交わす」前にと望んだ会話は距離が縮んだ後には他愛ないのに温かで微笑ましいです。宵さんは口には出さない優しさが垣間見えていくのがよかったなと思いました。初夜から何度も出てくる、髪を撫でるという仕草に言葉より行動で示しがちな宵さんらしい情の籠め方が感じられます。終盤湯殿での台詞には滅多に自ら言葉にしないからこそ、より想いの深さが感じられ、中盤辺りの件で泣きたくなった分、なんか余計に気持ちが込み上げました。過去の出来事から『警官』と『嘘』がそれぞれ嫌いだった2人が互いに想い合うことで心が解れていくような流れにも納得感があって、きれいに話がまとまっているなぁという印象を持ちました。
  • 公爵様の読書係~手探りの愛撫~

    白石まと/旭炬

    嘘と本当
    ネタバレ
    2017年5月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 嘘と気づいていながらというシチュエーションや描写にドキドキしました。好きだからこそ嘘をついてしまう、気づかないフリをしてしまうという2人に萌えました。公爵様を想って行動するヒロインが健気で、ヒロインの前では弱音を吐露する公爵様にもキュンとします。物語自体も嘘と本当が混在しているのが面白くて、キャラの洞察力の高さがわかる場面や指輪をめぐるストーリー展開にも引き込まれました。衣擦れの音や気配に対する反応等この設定ならではの些細な事での描写が随所に見られるのもいいなと思いました。あと、お話はきれいにいい感じで終わっていますが、個人的には図書室での夜が明けた直後の公爵様視点での心内がとても気になります。補完的な話とか、番外編とかでないのかなぁ。