このレビューはネタバレを含みます▼
トンチキBLの真骨頂です。
借金とりのウラク(黒髪。受け)が債務者を父に持つヒド(金髪。攻め)の元に借金取りに押しかけることから物語は始まります。
ヒドは物陰に隠れて震え上がるばかりで、ウラクに金を出すよう脅されただけで失禁する始末…。ウラク本人やウラクの舎弟からも馬鹿にされていましたが、ヒドはとんでもない爪を隠した鷹でした。すっかり舐め腐って1人で突撃してきたウラクにスタンガンを喰らわせて地下室に閉じ込めてしまいます。
この流れ、普通ならハードコアになって傷つき傷つけ合いすれ違うんですが、この漫画ではそうなりません。
そそり立つアレをウラクに見せつけながら「自分はゲイじゃない」とにじりよるヒドと「ゲイだろ!」とブチギレつつも日どの機嫌を損ねないよう宥めながら隙を狙って逃亡の機会を伺うウラクの心理戦と呼ぶには馬鹿馬鹿しいかけひきが始まります。
ブチギレて襲ったりヒドの機嫌を損ねると数日地下に閉じ込められて、電気ショックと飢えと孤独により酷に逆らってはいけないと調教されているのはシビアなのですが、ヒド自身がウラクがぶちぎれるのに子供のように泣き喚いて怯えて逃げたり、後程スタンガンで反撃しますがウラクにボコボコに殴られたりしているので重くなりません。地下室での悲劇により助けに来たヒドを裏切るウラクの様は笑いながらもスカッとします
ウラクは地下室に1人閉じ込められないようヒドの機嫌を損ねないように、けれど自分の大切な尻を守るために編み出した起死回生の博打は傑作です。それまで立ったアレをぶん回しながらガンギマリの目をしていたヒドが、二重の意味でもう立つ気力もなくなるほどに。2人ともいい大人なのに頭のネジが飛んでいるヒドと根は馬鹿なウラクなので最高に恥知らずな手を使って攻防していく様が面白いです。萌が置いていきぼりに多々なっていますが読んで後悔はしない作品だと思います。