このレビューはネタバレを含みます▼
2人の人生の道筋をテンポよく心情豊かに紡いだ作品だと思います。前半は、夕希の愛嬌溢れるキャラに引き込まれていき、後半は紆余曲折を経てそれぞれの人生の終焉を感慨深く見守るという感覚でした。なんせテンポが速いので、読者が置いてきぼりになるという節は否めないのですが、最後の夕希が病室から見せた希望に満ちた表情に何もかも持っていかれたように思います。本当に暖かい気持ちになる人生の終焉でした。自分で選んだラインを歩き続け、特別変わりばえのない素晴らしい人生の一生を見守ったように思います。