このレビューはネタバレを含みます▼
当時りぼんっ子だった私がこの作品を読んだのは小学生だったと思います。30代になって読むとこんな衝撃的でシリアスな内容を子供の自分がよく読んでいたなと、そしてりぼんで掲載していたことに驚きです。でも不思議と当時はそこまで怖く感じていませんでした。萌の腕が取れた描写やセイタが追いかけてくるところ、キャサリンが爆破で半身壊れてしまった所は衝撃的でしたがトラウマになる程ではなく物語を冷静に見ていたと思います。大人になってから読んでみると、登場人物のそれぞれの感情を考えてしまい、なぜそうなってしまったのか、どこで歯車が崩れてしまったのか、と切なく哀しくなりました。子供の頃は言葉や内容より、絵を中心に読んでいたので大人になった今とは全く違う感覚でした。しかし子どもから大人まで読めるなんて、小花先生の魅せ方が素晴らしいと思いました。大人になった私が一番グッときたのは苗の「片割れの死はこの上なく哀しいけど不自然な生はもっと哀しかった」という言葉です。物語のテーマでもある生と死に対して答えとでも言える苗の言葉は何より印象的でした。