このレビューはネタバレを含みます▼
BLとしては珍しく、壮大なストーリーに繊細な心情描写がされており、特に1巻は引き込まれるように読み進められました。
しかし、主人公が緑の王になるあたりから段々と話もゴチャゴチャしていき、緑の治世描写がダレるぐらい長くて、正直疲れました。
テーマとしては☆5ですが、最後の展開でキャラクターが嫌いになってしまったので、最終的には☆3にしました。
・納得出来ない点(これだけは言いたい!)
ルリの妊娠描写→青の王は、(過去でも未来でも)おまえだけだとか代わりはいないと言っていたのに、ルリと寝て子供まで産ませてるのはなぜでしょうか?しかも最後まで旦那として付き添っていました。セージと両想いになれたのだから、最終的には手放すべきなのではないですか。もしもこの物語の先にルリとセージを天秤に掛けられた場合、ルリを選んでしまうのでは?と思うとショックで居た堪れないENDでした。
パーピュア王のその後→エールが本当に愛したのは紫の王のはずなのに、ルリは救ってパーピュアの記憶は消して終わりなんてあんまりです…それならそれで、パーピュアの話はもっと掘り下げて欲しかった。幸せになってほしい( ; ; )
赤の王とのその後→セージが緑の王になった後は、殆ど青との関わりしかなく、悲劇の連鎖が切なかったです。悲恋に終わってしまったけれど、赤の王だったらその後も友人として気にかけてくれたのでは?と思います。それなのに、青陣営との話しか描かれていないのがご都合で残念でした。
上記以外にも、兎に角終盤は主人公にも青の王にもイライラ許せない描写ばかりでしたが、セージが最後に妹の元へ辿り着き、妹を看取ることが出来た事が、何よりも嬉しく、壮大な旅をしてきたのだと感じられて号泣しました。
個人的な意見ですが、ただの小説として読みたかったです。BLである必要もないし、恋愛を濃く絡める必要も感じませんでした。そうすれば、最後の消化しきれない後味の悪さは感じなくて済んだのに…と少し後悔しました。