このレビューはネタバレを含みます▼
偶然知り合ったホームレスから聞いた話を基に主人公が漫画を描いたことで、そのホームレスを探すヤクザに目を付けられて…という展開。
ヤクザと主人公のホームレス捜索競争の中で、暴力や組織力で劣る主人公の対抗手段が萌え漫画を描くことというのがシュールで面白い。
例えば主人公が描く「裏社会科けんがく」という作中作ではヤクザは美少女に、闇バイトに加担させられる少女は野良猫に置き換えらていて微笑ましいが、そうやってヤクザの行動を漫画にして世界に発信することで相手に対して牽制してみたりもする。
淡々とした描写が多く、分かりやすい見所や派手な盛り上がりがあるわけではないのだが、ジワジワと面白くなって引き込まれる作風。
ホームレスと逢うまでの漫画ではネームの段階でボツを食らっていた主人公が、実話ベースの漫画にしたことで連載を勝ち取っていく様は成り上がり系の面白さもある。
1巻のラストでは主人公もヤクザとやりあう覚悟を決めたような描写もあり、今後の展開に期待大です!