このレビューはネタバレを含みます▼
最初から最後まで私のドツボすぎる作品でした。第一に絵がとても好きです。行為中のある描写を見て、感想としておかしいのかもしれませんが「お洒落だなぁ〜〜〜」と呟いてしまいました笑 ただ単にエロいだけの作品は溢れるほどありますが、この作品はそれだけではありません。純粋で真っ直ぐな弟と、優しいけど心の本質的な部分が分からない兄。そんな兄弟の背徳感のある関係性。個性があるけどみんな明るく暖かく、登場人物に嫌な人など出てきません。ですが、作品の全体的な印象としては暗さが残る独特な雰囲気があります。淡々と進む中で、兄弟愛だけがとても強烈に印象に残ります。それもただの兄弟としての愛情ではなく、なかなかに捻れている重い愛情です。多くは語らず、読み手の想像力に頼るところもこの作品の良さを加速させていると思います。所々に涙を流すシーンがありますが、「兄弟」としてあるべき姿でいられないしそれ以上の感情がある、けれども兄弟以上にも以下にもなれないという事実に対する涙なのだと、私は解釈しました。ただのハッピーエンドでは終われない、どうしようもないこの感じ、、大好きです。とても良い作品、ありがとうございました。