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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 青野くんに触りたいから死にたい

    椎名うみ

    愛に溢れたホラーラブストーリー
    ネタバレ
    2026年1月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公・優里ちゃんとその彼氏であり、死んで幽霊になってしまった青野くんの物語。当初から少しコミカル、でも不穏な雰囲気が立ち込めていて、藤本くんや美桜ちゃんなどの仲間と共に、黒青野くんをはじめとする様々な怪事件に立ち向かいます。呪いや儀式のロジックがしっかりしているためにホラーという超常現象に納得感が生まれ、物凄い作品だなと思います。

    かなりネタバレになってしまうのですが、
    読み進めるとこの作品の不穏な雰囲気の出どころが青野くんと優里ちゃんの歪な家庭環境であるということが分かっていきます。特に、青野くんの生い立ちを知ったうえで1巻から読み直すと胸がとても締め付けられます。

    歪んだ家庭で育ったからこそ人の愛し方が分からなかった優里ちゃんが様々な困難に直面する中で、思い悩みながら時には間違えながらも内面的に成長していきます。青野くんを思うあまり自分をないがしろにして、むしろ青野くんを傷つけてしまうような優里ちゃんが、自分のことも大切にできるようになっていく過程がとても眩しく愛おしい。

    お互いを尊重することの難しさ。人を愛することと自己犠牲は別のものだということ。自分と相手は違う存在でそれぞれ大切な存在だということ。この作品は、人生において重要で答えがない問いを我々にも投げかけているように思えます。

    完璧なハッピーエンドを迎えることはないのは最初から分かりきっていましたが、最終巻、やはり胸に重くのしかかるものがありました。青野くんが幽霊になったからこそ、こんなにも2人はお互いを思いあい、愛しあうことができた。優里ちゃんが青野くんを救うことができた。このことがどうしようもなく切ないです。
    青野くんは死んでしまって、それは取り返しがつかない。けれど、青野くんと優里ちゃんが死者と生者として一緒に過ごした時間や育まれた愛しさ、嬉しさは決してなかったことにはならない。優里ちゃんが青野くんのいない世界を生きるという道を選択できたのは幽霊の青野くんと過ごした思い出があったからだと思います。優里ちゃんはこれからの人生を、悲しみを抱えながらも自分の力で歩いていけるという確信を得ることができた結末でした。

    最終巻を読み終えたとき、温かい涙が流れました。唯一無二の優しい物語だと思います。

    椎名うみ先生、長い間連載お疲れ様でした。
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    ZAKK

    胸震える重厚な物語
    ネタバレ
    2025年7月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 孤児院で家族同然に過ごしてきたサム、ハル、ノブの3人が大人によって引き裂かれ、20年後に再び再会した時点から物語が大きく動き出します。まず、この3人が再会するまでのそれぞれの苦悩や怒り、絶望にどっぷりと感情移入してしまいました。
    その後に続くのはマフィア、ヤクザ、国家機関、はたまたFBIやCIAなど、登場する組織の規模が大きく、裏社会を舞台にしたとてつもなく壮大な物語です。3人とも非常に頭が切れて、それぞれの立ち場と能力を最大限に活用して、根回し手回し、時には実力行使で目的を遂行しようと暗躍するところ、最高に格好良かったです。登場人物が多く、様々な人物の思惑が錯綜する重厚かつ複雑なストーリーなので初見では頭が追いつかないこともありましたが、何度も繰り返し読むうちに、あれはそういうことだったのかと気づいた瞬間、脳汁が止まりませんでした。
    前作からも沢山の伏線が張られており、リョウなど前作のキャラクターも登場し、読み応えがあるのに引き込まれすぎてあっという間に読み終わりました。
    そして、なんと言っても3人の顔が良すぎる。ZAKK先生の画力が高すぎるので、誰も彼もが彫刻のような造形美をお持ちです。こんなに色気が半端ない40代男性たち他にいますか…??愛らしい幼少期の彼らと大人になった逞しく美しい彼らを交互に眺めて、その成長の差分に一生ニヤニヤが止まりませんでした。
    それに、3人が互いに向ける感情がもう…1巻の冒頭に家族であり、恋人であり、同志であると記されていましたが本当にその通りだと思います。3人で1つ、互いが自分の一部でありいかに大切に思っているかということ、3人で一緒にいられれば他には何もいらないということがひしひしと伝わってきて胸が締め付けられました。ベッドシーンはさらっと自然に出てくることが多く、その良い意味で特別感のないことが3人の関係性を表しているようで印象的な場面でした。
    最終話、過去という呪縛から放たれておだやかな3人の表情をみることが出来て感無量でした。これからの3人の幸福を願ってやみません。願わくば、"来世"での3人のイチャラブをもっと見たい……!どうにかなりませんか泣
    こんなにも心に深く刻み込まれた作品は初めてで、まだ放心状態です。これからも何回も読み直したいと思います。素晴らしい作品に出会えてとっても幸せです!ありがとうございました!