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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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  • ブラック・ジャック

    手塚治虫

    お金
    2015年7月25日
    連載当時、火の鳥の興行的失敗で虫プロは倒産、「お金」と言うモノに、偉大な創造者・手塚治虫は死ぬほどの理不尽と不条理を痛感したことでしょう。
    モグリの医師、でもメスを取らせたら天下一品、そして法外な手術費を請求する……
    本作にも貫く政治(実際の政治、医師社会の政治と大人の事情)や人として下らない人たちを漫画の中でメタファーとして描く手法。
    手塚先生自身が非常に厳しい状況の中で描いた作品だと思います。
    サザエさんの漫画家が国民栄誉賞をとりながら、これ程の作家には受賞なし。
    お金、というどうしようもないモノと人に、不信感とあきらめ、切なさを描こうとしながら、やっぱり先生は命の幸と人を信じる尊さを描いている。
    本作を読んで医師を志した者が多数いると聞く。当然だと思う。手塚先生ならではの、徹頭徹尾一貫したヒューマニズムは、読むものの機微、琴線にやさしく触れて問いかける。やっぱり先生は人が好き。大切にしなきゃあって、みんなにも自分にも言い聞かせてる。
    名作の中の名作。手塚先生のマスターピースです。