フォロー

0

フォロワー

0

総レビュー数

4

いいねGET

13

いいね

0

レビュー

今月(6月1日~6月30日)

レビュー数0

いいねGET0

シーモア島
ベストアンサー0
いいね0
投稿レビュー
  • 鎮魂 Guardian

    Priest/許源源/内野佳織

    沈巍への愛を語らせてください。
    ネタバレ
    2026年4月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ mxtxの魔道祖師を読んでからの中華BL2作目でした。たぶんだけど、魔道祖師にハマって来た人にはあんまりグッとくるものはないだろうな、という感じでした。
    話全体が魔道祖師ほど単純ではないし(悪口ではなくて、魔道祖師はファンタジーとしてはたぶん構造がすごく単純な部類に入ると思う。スターウォーズに近いかな)中国神話も混ざってきてなんか小難しいし、起承転結もそこまでハッキリしてるわけじゃない。

    それでも高評価にしたのは、私はPriestという作家の作風がmxtxより個人的には好きなのと、何よりも沈巍への愛ゆえです。
    そう、私は沈巍がめちゃくちゃ好きなんです。沈巍ほど美しくて残酷で自己中で打算的でプライドが高くて執着心があって、なのに底抜けに献身的で自己犠牲的な男は初めて見ました。つまり、私にとってどストライクだったわけです。そんな沈巍が愛する趙雲澜と結ばれるところが見たいという、その一心で最後まで貪り読みました。

    ぶっちゃけ途中話がよく分かんないところもあったし、全部をきっちり理解できたかと言われると、そこは自信がない。正直盛り上がりにかけるところもあった。
    でも!!そんなことは!!沈巍の美しさと闇深さに比べたらなんてことはないんですよ!!!深淵と混沌を背負った美しい鬼神(もうこれだけでものすごいパワーワードだと思う)が沈巍なんですよ!!!
    彼は鬼なので、いわゆる人間の執着攻めとか闇堕ちなんて比べものになりません。なんせすでに闇から生まれたんで。一万年も受けをストーキングしてるんで。受けから告白されて嬉しいときは涙を流せない代わりに自分の手を噛み切って血を流すんです。ネタバレになるからあんまり詳しくは書けないけど、受けが自分から離れないように罪悪感という真綿で首を絞めるように追い詰めていくんです。どうです、すごいでしょう?(?)

    もうこの小説に至っては、ちょっと話が好みじゃないかな?と思っても、ひとまず、ひとまず沈巍に会ってみてほしい。お願いだから。そして誰か私と沈巍について語り合ってほしい。愛を語りたいんです、仲間を心よりお待ちしております。
  • ゆうちゃん

    蜂煮

    自由に駆けるゆうとかけるaka世界の謎
    ネタバレ
    2026年4月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何はともあれ、蜂煮先生の漫画は「自由〜Freedom〜」がメインテーマでしょう!!だってもう最後、ゆうちゃんの背中に羽生えてFreedomって書いてあったし、そういうことでしょう!!!!
    隠キャだの陽キャだの、そんなせまーい社会が一方的に決めてきたことにいちいち従わなくていいんです。別にルールとか法律とか全部無視しろとかいうことじゃなくて、意味の分からん理不尽なルールに対して怒って立ち向かえば世界の方が変わるんです。という漫画でした。

    私が学生だった時は今ほどオタクは容認されておらず、むしろオタバレ=クラス内での社会的死ってくらい厳しいものだったので、必死にオタクを隠してた。だからかけるの気持ちも分かるし、何よりゆうちゃんがカッコ良すぎる。自分の好きなことに誇り持ってる、オリキャラをバンバンつくりまくるゆうちゃんに惚れた。私はゆうちゃんが好きでこの漫画を買ったと言っても過言ではない。私もゆうちゃんみたいに生きられたらよかった。

    最近、昭和漫画チックな学園BLがアニメ化したんだし、ぜひこの『ゆうちゃん』もアニメ化してほしいです。ゆうちゃんの「キェェェェェェ」を聞きたい。

    蜂煮先生の絵柄は丸尾末広、古屋兎丸あたりに近いし(つまりシュールかつレトロっぽい)、背景の効果音が手書きでないあの感じ(何と言っていいか分かんないけど、これまた一昔前のシュール漫画っぽい)なので、画風的にも私は大好きです。独特だけど、その分好きな人もたくさんいると思います。
    また蜂煮先生の漫画が出たら買いますので、どうか末長く執筆してください。
  • てんある

    蜂煮

    大人になるということ、愛するということ
    ネタバレ
    2026年4月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 前作の『ゆうちゃん』、『うみのお城』、そして別媒体のインタビューを読んで、「他者(社会)から押し付けられた価値観や判断基準から解放されて、自分の幸せは何かを自分で決めること」、つまり「自由に生きること」が蜂煮先生の作品のテーマのひとつなんじゃないかなと(勝手に)思います。そして、私はそこが好きです。

    この『てんある』では、アサヒは最初は宗教に、そしてその後にはミカに依存します。日々の生活の判断や、自分の幸せ、自分の人生そのものを他者に委ねてしまう。でもそんな生き方は幸せと言えるのか?自由と言えるのか?

    そしてもう一つ、この作品には「愛してる」というセリフが何回か登場します。重要なシーンに出てくる、大事な言葉です。そして、ここで示される「誰かを愛すること」とは、ずっと末長く一緒にいる、という意味だけではなく、相手の自由や境界線を尊重しつつ、時には一緒に、時には離れながら共に生きていく、という意味をも含んでるんだと、ミカの言動から分かります。

    こんなふうに「自由に生きること」、「誰かを愛すること」は大人にしかできないことだと思います。人間として成熟してないと、こんな生き方はできないんじゃないだろうか。
    だからミカは天国に帰り、「お子ちゃまには分かんねぇよ」と言うんですね。そしてアサヒも、ミカがいなくなった理由を悟り、日々を淡々と静かに生きていく。ほんと、大人です。かっこいい、私も大人になりたい。

    これは私が一読者として受け止めたものなので、先生がどう思ってるか本当のところは分かりません。でも、私は蜂煮先生の漫画を読んで、すごく大人だなと思うし、私も自由に生きたいなとも思う。絵や演出が独特で笑っちゃうところばかりだけど、読み終わるといろんな方向に考えがふんわりと広がっていく。蜂煮先生の漫画をこれからも読んでみたいと思います。

    「てんある」ってどういう意味なんだろう。それがずっと気になりました。
  • HOUSE

    奥田枠

    湿度高めの昭和邦画風BL
    ネタバレ
    2026年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みで冒頭読んで、数日経ってもこの作品が忘れられず購入。いや〜すごいものを読んだな…というのが率直な感想。

    ネタバレすると近親のSMBLなんだけど、この短さで密度というか物語の濃度が高過ぎる。単行本1冊分くらいの濃さだったし、終わりに余韻があって読者にその後を想像させるのがとても上手い(私は、龍斗が父と叔父の行為を見てしまって、支配者/奴隷としての自己に目覚めてからの三角関係、この家と血の呪縛が未来永劫繰り返される、みたいなところまで妄想しました)。
    結局、この血筋から生み出されるのであろう「際限のない支配/被支配欲」という怪物たちは、この家(というか檻)の中で満たされるしか方法はないんだろうな…としみじみと思わせる。

    しかもあのでかい家、使用人(しかも着物)、封建的家父長制と女を囲うめちゃくちゃな父親って、おいおいどこの犬神家だよ、ここは八つ墓村か?とまで思わせる昭和感と独特な湿度。刺さる人には刺さるのではないだろうか。(パソコン使うシーンがあるので、あくまでも昭和「感」ではあるが。)

    令和のこの時代に、昭和ポルノ映画感満載のBL漫画が読めるとは思いませんでした。この作品の雰囲気は昨今流行りのBL作品ではあまり見られないのではないかと思うので、立ち読みで少しでも気になった人にはとてもオススメ。

    余談だけど、あの排泄物は使用人の皆さんが片付けるのだろうか…というのがすごく気になった。まぁ、あの家ならそんなことくらい驚くことじゃないのかな…。