ぴょんたそさん

映画が公開されていたので、なんとなく手に取った作品だったのですが
とにかくハッピーな漫画で、嫌な展開・登場人物が全くなく
笑いあり涙ありで素晴らしい漫画だなと思いました。
作品のテンポも良く、飽きないですし
単なる娯楽作品ではなく、笑いの中にも
ちゃんと恋する気持ちや人間の温かさも描かれています。

人の心が読めたら…と安易に考えてしまうことってありますが
読めたら読めたでこんな苦労があるんだなぁと
妙に納得させられる不思議な作品です。

レビューを読んで、今ってそんなに不倫について過敏なんだと
びっくりしました。不倫要素があるだけでダメな作品と
評価されてしまうのは書き手の人も大変ですね。
この作品の主題は不倫ではありません。歴とした大人の恋愛漫画です。

恋を諦めて仕事に生きていた主人公の前に現れた自分を好きだという男。
年を重ねるにつれ、恋愛に臆病に慎重になっていく気持ちを
上手く表現されていると思います。
ただ大人の恋愛とあって、すれ違いや焦れったい部分が多すぎる。
若い人と違って選択肢が多い分迷う気持ちも分かりますが
急展開など作品のテンポを重視する方には
あまりオススメ出来ないかなと思いました。

男女間の性の不平等を描いた作品ということですが、
読む人によって捉え方はそれぞれで感想も様々なんじゃないかと思います。
わかると思う部分と理解し難い部分、
何となく感じていた男女平等への違和感など様々な感情を
読み取ることが出来る作品です。

ただ良い作品だからこそ細かい部分のアラが目立ちます。
問題提起しておいて、最後まで描かれていなかったり
この男女の不平等に問題提起をしておきながら
生徒と付き合う展開はどうなの？とも思いますし。
（しかもなんでその子と付き合うのかもよくわからない…）
それも問題提起として読者に委ねられているという考え方も
出来るのかもしれませんが、私としては作者の考えを提示して欲しかったです。