このレビューはネタバレを含みます▼
単話で全て読みましたが、特典描き下ろしを読みたくてこちらも購入。結果、描き下ろしを読まないとこの物語は終わらない。迷っている方はぜひ単行本版をオススメします。
作者様、多くを語らずモノローグもほとんどないので
わからないところを何度も読み返しました。
淀野のお話で現れる柚子はシズマのお姉さんの娘(シズマの姪)でシズマによく似ている。
柚子のお家のご先祖の遺影にシズマが飾られていた。
八木の息子の正雄くんは若い頃の八木によく似ている。
八木は淀野と会って、シズマの実家がおそらく静岡で、シズマによく似た姪がいることを知った。
八木は正雄に静岡に一緒に行って欲しいと言っている。
それは八木が柚子と正雄を引き合わせたいからなのかな。シズマを先に逝かせてしまい一緒になれなかった自分達の想いを子ども達に継いで欲しいと思っているのかな。
でも柚子は部屋の机にファッション雑誌を開いていて、シズマに似て美人。東京に行きたがっているからファッションモデルにでもなるのかな。シズマも写真を撮られるのが好きだったし。
正雄も淀野のところでカメラの修行を続けるみたいだからモデルとカメラマンとして、2人は出会う運命なのかも。
よく考えると全てのお話の中でヤギ×シズだけが心の上でもメリバ結末になっていないから
子ども達の出会いで2人が叶えられなかった心の成就をしかも何の障害もなく、誰に咎められるカタチでもなく遂げさせてあげよう
という作者様の素敵な計らいなのではと思いました。
淀野はかわいそうだけどね。
あと、20年後のお話の終わりの頃に出てくる、正雄が他の2人の子と食事をしているシーン、そこに出てくる男性が誰なのかどうしてもわからなくて。わかる方のレビューを待っています。
面白かったものは完結しても「その後どうなったんだろう」とか「もしこうだったら」と考えることがよくあるけど、この作品はちゃんと作者様が「その後」と「もし」を描いて下さっていて、本当に読者の事をよく考えて下さっています!
そう考えると1番好きなお話の
坂ノ上×伴の2人は「その後」はなく、そっとしておいてあげたいよなって思いました。(表紙裏、たまらなくいい♡)
素晴らしい作品をありがとうございました!