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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 時をかけるセックスレス

    海山テツ子

    主人公が許容するだけで終わったのが残念
    ネタバレ
    2025年2月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 女性が好きでも女装癖がある人は多いので、夫の秘密はまあ良いとして、それを主人公がタイムリープをもって広がった視野と大きな愛で受け止めた、そこも良いとして、せめてお店は辞めて欲しかった!!!
    そこだけが不満ですね。
    幼少から抑圧されてきた女装癖を解放できる場に出会えて抜け出せなくなったことは理解できるけれど、それを理由に説明もなく主人公を突き放し傷付けた代償を払っていないことが、このモヤモヤする読後感の理由だと思います。
    主人公が女装癖を受け入れてくれたことで満たされて、自分が愛しているのはやっぱり彼女だと自覚してお店を辞め、主人公とだけ女装を楽しみながらレスも解消しましたっていう結末なら、もっと気持ち良く終われた気がしますね。
    恐らくこの後レスは解消したのでしょうが、それならそこまで描き切って欲しかった。
    自分の至らなさや押し付けがましさを認めて改め、2人の関係性を再構築すべくがむしゃらに頑張った主人公。夫の秘密も受け止めて、背中を押してすらくれる主人公。もう少し彼女がしっかりと愛され、その努力が報われるシーンを見届けたかったです。
  • 真綿の檻【マイクロ】

    尾崎衣良

    世界が引っくり返る
    ネタバレ
    2024年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 途中から視点が変わって、見ていた世界がぐるりと引っ繰り返る。その構成と描き方がとにかく秀逸です。時にそれが痛快であったり、ずんと重く突き刺さったり、心底ゾクッとしたり。どれも「家族」を題材にしていながら、短編それぞれに違った空気感がありとても興味深い。
    個人的に環奈編が物凄くグサリときたので、ずっと読んできましたが初めてレビューします。
    親からの扱いの格差に幼心が傷付いた経験は兄弟のいる人なら誰でも大なり小なりあるもので、これまでのお話に比べると感情移入しやすかったこともあり、前半は環奈に同情的な視点で読んでいました。家族の関係性も家庭によって各々であり、その価値観の相違で他者と意見が食い違うこともままある話です。
    ところが後半になると一転、実はそこに母親の伝わらないながらも真摯な愛情が確かにあったことが分かり、それを汲み取る努力をせず、子であることに甘え続ける怠惰な娘の真実が描かれ、読みながら頭をガツンと殴られたような思いがしました。
    ああ、私は親の愛情や努力をちゃんと見つめられていたのかな。環奈だったことはなかっただろうか。
    子育てに真摯に向き合う故に、子供から見たら悪役になってしまう。ちゃんと愛して、真剣に接しているからこそ厳しい態度も取るのに、ただ甘やかすだけの人が優しく愛情深いように受け取られる事すらある。
    親だからといって、子だからといって、一体いつまで愛し続け、どこまで許し続ければいいのか? そういった親の悲哀が突き刺さって、読後は胸が重苦しくなりました。
    最近は毒親ばかりがフォーカスされがちな風潮がありますが、同じく毒子だって当然存在するんですよね。しかもそれは、案外自分にも近しいものが潜在的にあったりして、もしかしたら毒親なんてものより余程世の中に溢れ返っているのかも知れません。
    親子に限らず家族というものは所詮「自分と他者」でしかなく、そこに属する誰もが不完全で当然で、だからこそ互いに汲み合い、慮り、ちゃんと均衡を保つ努力ができる親子、家族を「良い親子・家族」というんでしょうね。
    いっそ他人相手なら簡単に出来る遠慮、気遣いなどといった人間関係の基本が、肉親になると途端に出来なくなったりもするもので。
    親なんだから、子なんだから、夫なんだから、妻なんだから、そういった自分の根底にある偏見意識に容赦なく指を突き付けられるような、鋭く痛い良作です。
  • 売られた辺境伯令嬢は隣国の王太子に溺愛される

    小椋あん/COMIC ROOM

    溺愛を求めて読んではいけません
    ネタバレ
    2024年3月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 諾々と読み続けていましたが遂に脱落です……
    タイトルにある「売られた辺境伯令嬢」が「隣国の王太子に溺愛され」──そうなのは本当に序盤だけです。しかも、もう少しで溺愛モードになるのか!?というところで完全にお預けされ、後はひたすら国のゴタゴタに巻き込まれてばかり。2人の進展はほぼなし。
    ストーリーは国同士・貴族同士の様々な思惑や謀が蠢きなかなか重厚なのですが、最初はさもキレ者感を醸して登場した王太子が、ストーリーが展開するほどただの添え物じみてきているのも恋愛モノとしてはかなり残念です……。
    ヒロインは強く逞しく美しい魅力ある女性ですが、今のところその輝きにヒーローが完全に呑まれてしまっています。挽回のチャンスはいずれあるのかも知れませんが、私の中ではもう手の掛かる理想主義者のお坊ちゃんというイメージになってしまいました……。
    作者さんは本当は溺愛系恋愛漫画ではなく、バチバチの成り上がり系ファンタジー漫画を描かれたかったのかも知れません。だとしたらとても良い内容なので、タイトルで損しているように思います。あと、毎話毎話本っ当に短いので、折角のストーリーもブツ切りな印象になってしまい、あまり頭に入っていかないのも勿体ないです。