ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん
逆木ルミヲ/恵ノ島すず/えいひ
このレビューはネタバレを含みます▼
もだもだ焦ったくうずうずきゅんきゅん、的な展開があまり得意ではない(あーもう焦ったい!めんど!と思ってしまいます)のですが、こちらの作品でその良さを知りました。届きそうで届かない、通じ合いそうで通じ合えない…とてももだもだするのですが、微笑ましくニコニコ見守れます。これもひとえにかなり斬新な設定、「実況の遠藤くんと解説の小林さん」の存在が大きいです。この2人がプレイヤー目線、読者目線で文字通り実況、解説をしてくれるので無駄なストレスがありません。最高です。そして何よりキャラクターひとりひとりが大変に魅力的なことも大きいです。月並みの表現ですが、皆んな優しくて良い子…読んでいて変にイライラしたりムカムカしたりがありません。純粋に楽しく、時にハラハラドキドキしながら皆んなの活躍を見守っている感じで読んでいます。ただひとつだけ、本当細かいところだと思うのですが5巻でフィーネちゃんとバル先輩がリーゼロッテちゃん(とフィーネ)のお父上に現状の説明と協力を求めに行った際、フィーネちゃんはリーゼロッテちゃんが狙われていること、危険な状態にあることも説明しているにも関わらずお父上がリーゼロッテちゃんよりもフィーネちゃんに「お父様」と呼ばれたことにやる気を出しているような描写だったのが気になってしまいました…。お父上、相当のブラコンだったようですし喜ぶのはとってもかわいいし分かるのですが…もちろんリーゼロッテちゃんを心配する心も救わねばという想いが絶対にあるのは分かるのですが「フィーネちゃんにお父様と呼ばれたから」が前面に押し出され過ぎている気がして、勝手に少し寂しくなってしまいました。自分はかなりこういうところを気にしてしまう性質があるので、殆どの方は特に気にならないとは思うのですがどこかにしたためたくてこの場を借りて書かせて頂きました。
この先どうなるのか、リーゼロッテちゃんは勿論のこと、現世の2人、遠藤くんと小林さんのほうにも何かありそう…というか確実にあるのでまだまだ気になるところが沢山です。楽しみに追っていきたいと思います!