このレビューはネタバレを含みます▼
1話のシリアスな雰囲気に対して、2話はふたりのやり取りなどが結構コミカルな感じで笑ってしまいながら読んでいたのですが3話を読み終わる頃にはぼろぼろ泣いていました。
体の関係から始まって、片方が一方的にキスして怒られて、お互い思い合うようになってから改めてキスをする…という言ってしまえば結構よく見かける描写で、こんなに感極まってしまったのは初めてでした。
橋内中尉は戦争が終わっても生き残る可能性の高い塚本くんの未来を思って遺書に書き残し、塚本くんはどうしたって征ってしまう橋内中尉を思いながら自分の仕事をしっかりとやり続けて、例え一緒にいなくてもお互いを強く思い合いながらあの朝を迎えたんだと思うと胸が締めつけられました。
時代が少し違ったら、もしかしたらこれから…という時に永遠の別れがきてしまうことはどうしようもなく切ないけれど、美しかったです。
たった一度きりでも、あの時声を掛けたのが、先輩たちにされたようにでは無く、普段まわりから一目置かれている橋内中尉としてでもなく、『和さん』として大切にしてくれた塚本くんで本当によかったなと自分に言い聞かせているのですが… 辛いです…
いつか遺書に書き残すほど塚本くんのことを最期まで気に留めていたことを塚本くん自身は知ることがあるのでしょうか。
そういう後日譚でも構わないので、このふたりのお話をもっと読みたいなと思ってしまいました。