このレビューはネタバレを含みます▼
三角関係、NTR、SM⋯
このワードのどれかひとつでも心に引っかかるなら絶対に読むべし!
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか誰とくっつくのかくっつかないのか、結末が読めない作品です。
受けのスヨン教授が、上品さと教授としての権威を纏いながらユンホを確実に落としていく1〜7話の流れに、私はすっかり骨抜きにされました。
一見攻めでもおかしくない外見や強気な口調、プライドの高さが、夜になると"奴隷にしてくれ"と懇願してくるドM受けになります。
しかしそれだけで終わらないのがスヨン教授の魅力。物語が進むにつれ彼の深い心の中が見えてくると、印象が180度変わっていきます。正確には、彼の二面性や過去がどんどん露わになることで、その深みに読者はズブズブと沈んでいくでしょう⋯
読者はまるで自分がユンホになったかのような追体験を味わいます。スヨンに堕ちていくユンホは、一見真面目なワンコ攻めだけど、彼に出会ったことで調教されていきます。戸惑いながらも愛する人の首を絞め、頬を叩く⋯そしてユンホ自身もその快感から抜け出せなくなっていく。ここの描写が本当に秀逸で、この作品が唯一無二の所以だと思います。
そしてふたりの間に現れるスヨンの昔の男、ギョル⋯
忘れられない気持ちを「いい子ちゃん」で封印できない、快楽に抗おうとするが逃げ切れない。そんなリアルさがこの作品にはあります。その展開に嘘や無理がありません。浮気をしてしまう受けを、悲しくも受け入れ、支えたくなるような気持ちにさせられたのは、この作品だけでした。
愛をとるのか、抗えない快楽におぼれてしまうのか⋯
そして"本当の愛"とはなんなのか⋯
絵柄や色合い、コマ割りや漂う雰囲気は、まるで映画のようで官能美に満ちているのに、ひたすらにエロく過激。それなのに、心に重くのしかかってくるストーリー。
BL界隈に留めておくのがもったいない程の深さと厚みを備えた名作です。
とにかく一度は読むべき、強くおすすめしたい作品です。