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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 蛍火艶夜 単話版

    amase

    何度も読み返してしまう作品
    ネタバレ
    2024年3月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 面白くて読み応えがあって濡れ場も濃厚で第一話からずっと読み続けてきた作品ですが、坂ノ上×伴CPには心臓を鷲掴みにされました!
    最初はサイコパスのように見えた伴が、坂ノ上と接しているうちに歳相応の青年らしさを垣間見せるようになる描写がたまりません。
    特攻機に乗る直前、坂ノ上からもらった刀を凝視しながら唯一思い入れがあったであろう鉢巻をいとも簡単に捨ててしまうシーンには息を飲みました。自分の世界に「色」が欲しかった伴は、刀をもらった瞬間世界に「色」が付いたから、もう鉢巻はいらなくなった…ということでしょうか。
    ただ、鬼神の如き強さで幾度も死線を越えて生還してきた伴が、鉢巻を捨てた直後に額を撃ち抜かれて死んでしまった展開にはなんらかの意味を感じてしまいます。ここからは完全に妄想ですが、あの鉢巻(或いはえんじ色の端切れ)は霊的に伴を日本軍の「鬼神」足らしめていたいわば御守りであり、もしあの鉢巻を巻いたままであれば伴は敵艦に突っ込み特攻を完遂していたのではないでしょうか。しかし坂ノ上から刀をもらい鉢巻を捨てたことで伴はごく普通の「兵士」となり、かつての仲間たちと同じように撃たれ、自らの望み通り海に沈んでいくことができた…。
    伴にとって唯一の救いは死。しかし海に沈む直前、幻のような会話の中で坂ノ上から「俺たちは海神になるんだ」と聞かされたとき、彼は死以上の救いを得られたのではないでしょうか。そう願ってやみません。