このレビューはネタバレを含みます▼
漫画を読んで、おっ毛色が違う貴族ものだわねとラノベを一気見、web小説水鏡編まで全部読みました~
自分をおざなりにする旦那捨ててやったぜオラァ!ってより、自身の前世を反省し子供を一番にすると決めた母の愛と覚悟の話でした。
この作品で一番目に入るのは母子の関係の微笑ましさなのですが、私はヘンドリックという男が気に入ったので魅力を語りたいと思います。
ヘンドリックマジでどうしようもない(初手)
「生涯一人の人を愛しなさい」という教えを基に、運命の出会いをしたアリーに首ったけでラシェルは子を産む道具といって憚らない、改心しない!
正体は柔軟さがない超がつく不器用メン。
一度教えられた「ルール」を絶対視して曲げない、臨機応変に上書きできない!
「騎士の矜持」を覚えたら、幼い弟とのチャンバラでわざと負けるという戯れができない。
昔SNSで”プログラマの旦那に「牛乳を1、卵があったら6つ買ってこい」とおつかいさせたら牛乳6本買ってきた”的な笑い話をみましたが、そういうことをしそう。
「生涯一人の人を愛しなさい」ってそういう意味じゃないわよ!って突っ込みを入れた方が良いですアリー姉さん。
キンバリーとの子ミルドレッドを抱くラシェルを「二人の愛情が赤子に向いてしまうのでは」と不安げに見るランスロットに「愛情は相手ごとに増えていくものだ」と微笑むのは、ただ一人しか愛せなかったヘンドリックへのアンチテーゼであり、彼が聞いたら何か変わったのだろうかと思ってしまいます。
何故かみんな知ってる常識を自分だけが知らずに苦しんだり、求められる振る舞いが時々で違う世界に生きづらさを感じたことがある人間には、ヘンドリックという存在は琴線に触れるものがあると思います。
ここまでヘンドリックへ色々気持ちは綴りましたが、キンラシェ派なので来世もお前を応援しねえ、ヘンドリック。