このレビューはネタバレを含みます▼
私は根っからのBL愛読者だったが、ギヴンはアニメで知った、
なんなら「へーこれ内田雄馬くん(推し声優)がメインキャラで出てるんだ〜見てみよ〜」という、BL作品であることすら知らない状態で軽い気持ちで1話を観たが、1話で衝撃。あれ、これもしやBL?しかも何だかストーリーが半端じゃなく作り込まれている、、、?私自身とても大切だった人が自死してしまった経験があるので、号泣しながらもどっぷり惹き込まれ、あっという間にアニメ完走。続きが気になり即行で漫画を読み漁った。元カレの自◯で始まる物語なんてある?しかもそれが自分の言葉のせいだなんて。
この物語は単なる死と生の物語りではないと解釈した。生きる上での辛さ、生きるが故の苦しみ、自分ではどうしようもないことに傷つき、1人では抱えきれない葛藤にもがき、それでもどうにか幸せになりたい。1人じゃないと感じたい。必要とされたい…そして苦しむだけに終わらず、その行き場のない人々の心を優しく救ったのは音楽、いや、歌詞に込められた真冬の気持ちと言葉だった。心に人一倍の苦しさと悔しさと寂しさを抱えて生きてきた真冬の言葉だからこそ、他の人の心にも刺さったんだと思った。そしてその真冬を底から引っ張り上げたのも音楽だった。
真冬は慎重で0か100で考えてしまう。不安に弱く大きな選択に対して臆病、儚げで幼少期の経験から笑顔は普段あまりなく、それでいて感情表現はストレート。頑固でわがままで意地をつい張ってしまう。若干世間知らず。そして乱暴な言い方だがザ・メンヘラ。という印象を受けた。正直私的にはこの真冬がネックだった。才能があるのはすごい、でも上ノ山が性を超えてまで真冬に惹かれた理由が私にはわからず、そして由紀を心の真ん中に置きながら真冬が上ノ山に惹かれたことも私は理由が掴めず、この2人の恋愛に関しては感情移入ができなかった。
個人的には、雨月と秋彦の関係や、そこに絡まる春樹、このあたりは見ていてすごく苦しかった。特に雨月には感情移入しかなくて、秋彦が違う人を選び自分の手を離されてしまったときの雨月の苦しさをしばらく引きずってしまった。あとたけちゃんが良い男すぎる。
長文になってしまったが、結論的に読んでとても良かった。大好きな作品。