瑞土の国の宮廷魔術師は安寧を願う 【電子限定特典付き】
蔓沢つた子
登場人物が全員聡明なのでテンポよく読める
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
登場人物の頭の良さゆえにストーリーがサクサク展開していくのが読んでいて本当に気分がいいです。
何より、バジールが私の癖に刺さりすぎて動けません。
「長髪」「歳上」「美形」という要素を持ちながら、その振る舞いはどこまでも「男性的/紳士」なのが素晴らしいです。
儚い見た目でありながら強い自我をしっかりと持ち、かと言って女性的な言動に寄る訳ではない受けのキャラクターは本当に本当に本当に本当に本当に貴重なので、もう感謝しかありません。
彼の根底にあるのが常に「研究」であるところも最高に格好いいです。
何かに夢中になっているキャラが大好きなので、鼻血を出しながら「術師として高揚する」と心の中で語っているシーンは、あまりの格好よさと色気に悶絶しました。
一方で、バジールが冷酷な人間ではないところもその魅力に拍車をかけています。
力を暴走させてしまった女性に対して言った言葉なんて、本当に温かくて胸にじーんと来ました。
気休めの慰めではなく、魔術の真理を知るバジールだからこそ説得力を持って伝えられる未来への希望ですよね。
あの瞬間の彼女を一番救ってくれる言葉を的確に導き出しているのが人たらしっぽくて最高です。
こういうエピソードを通して、「そりゃダリもクリムトもバジールに惹かれますわ」と納得せざるを得ないのが本当に気持ちいいです。
バジールが徹頭徹尾、仕事に対して誠実で、ダリやクリムトとの立場もきっちり割り切っているのが最高に痺れます。
そして各々が聡明だからこそ、ダリたちの好意にバジールは気づいているし、そのことにダリたちも気づいている。
その上でダリたちは、自分たちなりにひたむきに立ち回る。
ここが最高にキュンとします。
さらに、魔力譲渡周りの設定には感動しました!
身体的な接触が日常的な魔力譲渡の手段として行われている世界観なので、バジールが他の人と接触をしていても、彼が尻軽だというイメージを読者に一切与えません。
むしろ、目的のために手段を選ばない必殺仕事人間としてのストイックな魅力が際立っています。
物語としてもエロとしても非の打ち所がない最高の一冊でした!今朝購入したのにこのレビューを書くまでに既に5回は読み返しています。
本当にありがたい作品です。
本当にありがとうございます。