mihokoさん

最近ありがちな、ツンデレ王子になんだかんだ幸せにしてもらう的な話かと思ったら違いました。
主人公の、男性と対等ではないことはおかしい、
男性に幸せにしてもらうのではなく、幸せも生きることも自分でゲットしなければ、という気づきが、まさに現代風。つぎは、お互い、対等になってからの愛、に向かってほしいです。

現代の20代30代40代の意識を深く掘り下げた、素晴らしい作品だと思います。コミカルに楽しく、スッと読めるのに、実はその人その人の人生への向き合い方を巡る苦悩する姿を描いている。だから、薄っぺらくならない。ホントに続きが楽しみな作品でした。
なのに、こういう話が、ついに自分の大好きな作品に起こってしまうなんで、というショックで、やるせない気持ちです。
誰が悪い、とかの話ではなく、出版社も、シーモアのような新しい媒体も、なんとか、一人で戦っている作家さんを守れる体制、作れないんですか？
作家さんのご冥福をお祈りすると共に、素敵な話を作り出していただいて、私達に届けてくれたこと、心から感謝したいです。

最初は、男性優位目線の漫画だな、または、身体を売ることを変に勘違いさせる話だな、と、反発しかなかったのですが、読み進めていくと、それを仕事として考えた場合の、実験的な設定をした作品だと思います。
金銭の授受があったからといって、そこに優劣はなく、あくまでも契約なのに、お客様は神様です、の精神のもと、なんとカスタマーハラスメントが多いことか。売るものは身体、という、究極的な状況であっても、売る方の権利を主張したい、という姿勢を提示してみせたところに、読者を考えさせるところがある作品です。

可愛い絵なのに結構エグい内容、でもつい読んじゃいます。基本、悪い奴が酷い目にあうわけなんだけど、勧善懲悪とは間違っても言えない…むしろ、容赦ない小春先生…
二校目の話の方が、発展性があっておもしろいかな。
登場キャラも多様になってきて、どんどん面白くなっていきそうではある。