このレビューはネタバレを含みます▼
三巻最終話まで読み終わって思ったのは、伊藤先生は 漫画家である ということでした。このシリーズ以外の作品(スピ散歩・視えるんですなど)も購入して何度と無く読みなおしていますし、YouTubeや他の媒体で同内容を話したり文字上で表されたりしているのもお見かけし、その度おもしろく鑑賞しておりましたが、怖いという感情や時に下世話にもなる好奇心と知識欲を満たしてくれながら、それだけでない、その先にある哀惜、かなしさ(悲しさ/愛しさ)をこの漫画ほど感じることはありませんでした。
全体的には、ご自身の霊能力に纏わる恥部ともいうべき歴史をコミカルに描かれていますが、個人的には三巻の中盤から後半、そこは幽霊や妖怪などが出ては来ない、 人間 の話が特に最高でした。物語の終わり(始まり)はこうでなくては、とわきたつものがありました。人間として生をうけたのであればそれなりの「仕事」がある、それをしよう、と素直に出てくる最後でした。良かったです。