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今月(8月1日~8月31日)

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シーモア島
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  • サードバージン~43歳、今から恋していいですか?~【単話売】

    及川由美

    単行本でのレビューの続きです。
    ネタバレ
    2026年6月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 3. 語りすぎず内面を説明する面で技術力の高さを伺えます。
     粋な曖昧さですが時折空回りしているようです。例えば一話の主人公の涙の描写には様々な感情(後悔や不安や虚しさや自己嫌悪)を含む物だと読み取れますが、その多層さを一コマと一言だけで済ませてしまうのは宝の持ち腐れのようでした。その極端さが白黒思考的であり、曖昧な人物造形の生々しさに対してノイズになっているように感じます。コミカライズ作品でもそのような描写が目立っているように感じました。複雑な内面を簡潔にする技術は本物ですが、それは一部の層からの共感をごっそり削り落としてしまうような危うさを覚えます。
    4, アイデアの多さは才能です
     引き出しがたくさんあることはよく伝わるし、才能として素晴らしい物だと感じます。ですがそのアイデアの量に振り回されるようにイベントを畳み掛けすぎてしまい、人物の深掘りが置き去りになっているように見えます(前作にもその傾向がございました)。イベントの爆発力とその連続で読む手を飽きさせませんが、記憶には残りにくいです。余韻に浸る時間を与えてくれません。裏設定があるのならもっと見てみたいです。

    総括です。
    何度も口うるさく述べて申し訳ありませんが。いち読者である手前、プロの作家にこうして身の程知らずなことを申すのは大変恐れ多いことは承知しております。わたくしとしては、及川さんがSNSやブログで見せるような高い共感力と分析能力及び言語化力が、作品にはブレーキがかけられた状態で発揮されてしまっているのは非常に悔しさを覚えます。もっとキャラクターへの愛を強くプレゼンして欲しいし、自分は間違っていないという高い自信や自己承認を期待しております。及川さんの世界観は本当に美しいものだと思っていますし、それが見られないのは非常に勿体無いです。ずっとそれが見たくて追いかけてきたので。
    今後も引き続き応援しております。続きを楽しみにしています。では。
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  • サードバージン~43歳、今から恋していいですか?~【単行本版】

    及川由美

    人物の内面の重さは感じる
    ネタバレ
    2026年6月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 感想と共に分析ですが項目ごとにまとめておきます。批評のようですが悪しからず。まだ二話しか読んでおらずストーリーの流れを正しく把握しているわけではないため、人物描写に焦点を置いてまとめます。書ききれないので一部だけ。続きは単話版の方に書き残しておきます。
    1. 描写自体は淡々としており著者の冷静な人間観察や内面分析がベースにあるような生々しさと冷静さを感じます。
     人の醜い部分や、綺麗な部分を同列な価値として扱っているようにも見えます。おかげで漫画でありながら、どこか文学のような奥ゆかしさを感じることができました。しかしやはり漫画的なキャッチーさやインパクトベースのリアクション(白目や青ざめ、デフォルメ調の人物など)が作品本来の深みを透明化させてしまっているようにも感じます。漫画である以上はエンタメ描写との折り合いは必須でしょうが、著者の深い人間観察が読者に伝わらないのはなんだか勿体無いです。絵や線の整いは置いておいても、著者の演出する曖昧な表情や行動描写などを見てみたいです。はっきり表現しても極端になってしまい、氷山の一角のように一部分しか伝えられなくなってしまうような気がします。いちファンとしては悔しさを覚えてしまいます。
    2.キャラクターの作り込みは体感のこもった深みがあるようで、かなり感覚を先行させて動かしているようにも感じます。
     深い共感は得られますし、現実にあり得るような人物造形は読者の自己投影を誘導して作品にのめり込むために一役買っています。しかしながら大きな衝撃や決断、迷いだけを描いてもキャラの根底まで読み取る根拠としては材料不足のようにも見受けられます。もっと小さなものとして、何に喜び、怒り、哀しみ、楽しむのか、その根源の軸が固まっているのかが気になります。もしそうだとしたら、大きなイベントを起こさずともキャラクターの深みを演出することは可能だと思います。全てを理屈にする必要はないですが、このキャラの軸(信念やトラウマ、目的など)が言葉として伝わってくるような一本筋が欲しいところです。
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