このレビューはネタバレを含みます▼
両親から、神から、縛られて生きている少年と、自由だけど自分の居場所のない渡り鳥みたいな少年。
「祈りなさい、成功は神のおかげだから祈りなさい、失敗は神への祈りが足りないから祈りなさい」
そう教えられて縛られて生きてきて、いくら祈ったって神は自分を助けてくれなくて、両親は神しか見ていない。神の前にしか居場所がない。
自由な少年に出会い、憧れたけど、その少年も心は幼い頃に縛られていて、2人ともお互いの居場所になることで初めて自分だけの存在理由を見つけられた。
終わり方については、これ以上はなかったんじゃないかなって思う。2人だけの自由を求めた2人は罪を犯した。捕まったらきっとどれだけ時間をかけても2度と会えなかった気がする。彼らはようやく辿り着いた、いつか行こうと話した海にすべて託した。
今まで祈ったって一度も救われなかったけど、2人で幸せになるんだと決めた2人の祈りの形は、あの最後で成就したんだと思う。