このレビューはネタバレを含みます▼
初めて買う作家さんでした。Twitterで試し読みを見て気になり購入。オメガバース作品で重いものはあまり見てこなかったのでどうかなと思いましたが、凄くいい話でした。円が幸村を守るために自分を蔑ろにすること、Ωになりきるためにたくさんの努力をすること、それら全ては本当に幸村のためなのか1度ついた嘘をつき続ける苦しさがジワジワと伝わってきて辛いです。自分の嘘とそれを疑わず信じる幸村。嘘をつき続けることは怖い。いつかバレてしまうのではないか、バレたくない、バレた時幸村はどう思うのか。
幸村は円がΩだから好きなのではなく、円が円だから好きできっとそれは円も同じだったと思います。
全てを知った幸村と円がついた嘘が報われて良かったです。
幸村が警察官ということで作中の事件も面白く、推理しながら読むのも楽しかったです。
最後、円が書いた小説。そしてきっとそれに救われたであろう女の子。
最後まで愛に溢れた作品でした。