luckyさん

少年の日常と言えば日常だけれど、ふと気になりどんどん惹かれ近づいていく過程が、あ〜、小学５年生の頃ってこんなだったかもしれないと思わせてくれる。
話のテンポも良いし、主人公目線の心の声がなんとも良かった。
子ども目線から見えてる大人はいまいちよくわからない存在なようで、今や大人の側のこちらには彼らの思いがよくわかる。でも主人公から見たらこんな感じだよね～と。
感覚が少しひっくり返るような感じも味わえておもしろかった。
自覚ないままおそらく成長と呼ばれる変化を遂げていく主人公と気になるクラスメイトから目が離せなくて、ちょっぴりミステリーぽい味付けも良くて、とても好きな作品でした。
こんな世界を描き出してくれてありがとうございます。続きを早く読みたいです。

オメガバースという世界観の中で、お互い意図せず不幸な出会いをしてしまった二人のお話です。
どっちも加害者で被害者。襲った方のアルファの先生も当時は学生だったろうし、おそらくむき出しのヒート現場に遭遇したのも初めてだったのでは…。
初めての経験だとしたら、巻き込まれて思わず噛んでしまい、意図せず番になってしまった……。これはどっちも不幸ですよね。相手もわからないままだし、状況が状況だし、このままでは彼は一生パートナーを持てないって事では？家族を持てないってことでもあり、彼にしたら絶望的ですよね。
会ってみたら、彼女には子供がいて、それなりに家族として完結してて自分は必要とされなくて、彼からしたらこの状況は複雑だと思う。
無理やり襲ってしまった申し訳無さや後ろめたさもあるだろうし、ヒートにあてられた被害者としての怒りや恨みもあるだろうし、噛んじゃってる以上、家族が欲しければ彼女と一緒になる他選択肢ないですよね。何に対してこの怒りをぶつければいいのか、彼も辛い立場だと思う。彼の側の気持ちを考察するとこんな感じでしょうか。
あとは、お互いの気持ちの着地点しだい。ふたりとも真面目で一生懸命ないい人……幸せになって欲しいです。

絵の美しさに惹かれて購入しました。
読んでみたらとても良かったです。設定や世界観が面白かったし、ストーリーも良くて、入り込んで楽しませてもらいました。ジャンルに関係なく手元に置いて何度でも読み返したい作品です。大満足、ありがとうございました。