臆病な従騎士の僕ですが、強面騎士団長に求愛宣言されました!
大竹あやめ/尾村麦
このレビューはネタバレを含みます▼
全体的にストーリーは面白く楽しめたのですが、甘々で可愛いBLを求めてるとちょっと違うかも。
一見ピュアで試し読みではあまり予測できないのですが、いわゆるBLあるあるの"暗い過去持ちの受け"です。
これが私はやや地雷要素なので、キャラも話も良かったのですが星3にさせていただきました。
以下、内容ネタバレになりますが、上記地雷要素について。
受けは人身売買の被害者で身売りをさせられていた過去があります。
自分はこの手の奴隷・身売り系被害描写が苦手要素なため、もし同じような嗜好の方は注意。
一方で受けはかなり性愛に対して鈍感な描写をされており、男娼の経験知識とチグハグでやや不自然なピュアさなのが気になりました。
後半に相手の性愛を利用して手玉に取る手法を使っている描写があり、受けが出自を隠すためにピュアを演じていると見る方が自然かと思うのですが、騎士団の同僚からの下心には本当に気づいていない様子なので??
そういった点で受けのピュアで可愛い属性に対し、重い過去から構築される人間性の折り合いがついていない感は否めませんでした。
攻めについては不器用ながらも一貫して受けを大切に真っ直ぐに愛してくれているスパダリ寄りの溺愛攻めで良かったです。
長々書きましたが、ストーリーは試練を乗り越えて成長していく受けとそれを護り支えてくれる攻めのお話で、起承転結も読み応えがあり面白かったので、地雷じゃないよって方はとても楽しめる作品だと思います。