このレビューはネタバレを含みます▼
槙生自身も知らなかった姉と向き合い、伝えられないままになった思いを抱えつつも、朝を大切に思うことでその気持ちも含めて折り合いをつけることができたんだと思いました。だから、朝にどれだけ大切に思っているかを「それでは言葉が足りない 足りない 足りないんだ」と伝えるところでぶわっと来ました。
ラストの詩も、まさしく槙生が朝を育て慈しむ中で生まれた言葉の連なりといった感じで、この先二人の生活が別々になることはあっても、詩にあるように忘れてしまっても確かにそこにあった想いが二人にはあるから大丈夫なんだろうなと思いました。
月並みな感想ではありますが、また忘れてしまった頃に読み返したいと思える素晴らしい作品でした。