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レビュー

今月(9月1日~9月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 毒を喰らわば皿まで

    十河/斎賀時人

    【長文】爽快感重視。描写の飛躍感有り
    ネタバレ
    2026年9月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ アンドリムの悪役としての華やかさや、容赦のない策略などは読んでいて面白かったです。ありがちな、実は正義感のあるダークヒーロー!という感じではなく、ちゃんと悪いところが読んでいて楽しかったです。

    一方で、人物心理や設定のつながりで何度か引っかかり物語に没頭することはできませんでした。

    特に気になったところを箇条書きでまとめました。

    ・38歳で騎士団長のヨルガが、序盤では、若い攻略対象達とまるで学園の生徒会の一員のようにつるんでいるように見え、年齢と立場のズレを感じた
    ・前世の人物像がほぼ描かれず、ゲームの未来を知っていること以外では、転生設定が生かされてないような気がした(前世では普通の円満な家庭に育ったらしいけどなんでこんなに悪なの)
    ・前世思い出しただけで娘をここまで愛せるのか…
    ・ナーシャに攻略対象たちがそこまで惚れ込む理由の描写がなく、その後比較的容易にアンドリム側に寝返るため、攻略対象達が記号的に見えた
    ・ジュリエッタ自身も、ナーシャへ嫌がらせや悪態をついていたのに、途中から一方的な被害者のように扱われているのが気になった(反省して心を入れ替えたのか、自分の悪意を自覚した上で貫いていたのか、心理描写がほしかった)
    ・ナーシャの魅力とは…にしてもこれほどまで酷い復讐をされるほど悪いことしたのかな…
    ・王太子が、ナーシャの繰り返される醜態を見てもなお王妃候補としておくのが謎(政治的な側面があったとしたら王太子視点で説明がほしかった)
    ・アンドリムのヨルガに対する気持ちの変化が省略されすぎているように感じた。焼印も意外。
    ・過去にも国内が不安定な時期に現れ、さらにゲームのバットエンドにも関わる王弟について、アンドリムであればクーデターに早期に気づけたはず。このように展開都合でアンドリムの察しがたまに悪くなるのが違和感
    ・番、夫呼びがシンプルに気になった笑

    全体としてキャラクターや設定そのものはとても魅力的なのですが、なぜこの感情やこの行動に至ったのか、という途中の心理描写が一段飛ばしになっているように感じる場面が多かったです。
    (描写されずともなんとなく察することはできるが、納得感が得られず歯痒い)
    勢いや、悪役主人公の爽快感を楽しむ作品としては面白かったですが、人物心理や世界観の整合性を重視して読む私には、所々説明不足に感じて没入しきれませんでした。