hiroさんがつけた評価
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作者さん買いです。タイトルとカバーでこの作品を買いました(4作目)。
正直なところ、一読目、訳が分からなかったです。ブツブツ読んだというのもあるんですが、ユキがどうして先生を好きになったのかわからなかったし、あんなことがあって(1巻にレ〇プシーンがあります。要注意)、なんで??って思いました。
他の木下作品とは違うなぁと思って外したかなぁと思ったんですけど、ぐるぐる考えてみると、これは先生の話なんだなぁと。
17というタイトルですが、先生の頑なな心を17のユキが変えていく物語として読むと、印象がガラリと変わりました。
そういう訳で、ユキはとってもイケメンですが、三島先生視点で読んでください。
ずっと10年もの間、諦めて一歩も踏み出すことの出来なかった三島先生を、ユキの17歳という圧倒的な熱量で動かす物語です。
連載に3年半かかったということで、時間の余白が大きい気がしますが、夜空の大きさに比べたら高校生活なんてそんなものなのかもしれません。番外ではユキは社会人になってるし。
それにしても!
脇役が狡い気がします。個人的感想ですが!
津田くんはもちろん酷い。10年も片想いさせておいて、友人という立場で、気持ちを知っていながら生殺しでずるずる付き合って。ひとの気持ちなんか考えない無神経な男なんだなぁとひとりで怒ってみたり。
それから蓮。絶対ほんのりでもユキのことが好きだと思うんですよ。なのに他人の恋路に口を挟むなんて酷い。あれこそエゴイスティックだなぁと思いました。若さ故に許されるのでしょうか?
後ろ向きだった先生の心が、立ち止まって、前を向くことを選ぶマンガです。先生は臆病なので、その変化は本当に少しずつなので、じっくり一コマずつ読んでいただきたいです。
わたしはまだ木下作品を読み続けると思います。先生の描く、繊細な世界が好きなので。
どうぞそれがこの本を手に取ったあなたにも届きますように。(閉じる)
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