高くて好きな作家さんです。情景描写や表現がとても好みで読んでいて気持ちが良い。伏線を拾いながら謎解きしつつ読んでいましたが、まさかの設定でした。以前有名なミステリー作家の方がその設定を取り入れた作品を出したことがあって、時代に即しているとい
うよりネタ切れで新しいものを入れたみたいな感じがしてしまったのですが、これはBL小説なのでそういった違和感はありませんでした。シリアスな内容で、当事者やそれを取り巻く人たちの気持ちや心遣いなどの描写が素晴らしく、面白かったです。が、宗清と泉の会話で「約束」って出てきたところで私は何の約束だっけ?と思い出せなかったのでもう一回読もうかなと思っています。最後が唐突に終わってしまったのが少しだけ残念です。しずのが昏睡から目覚めた瞬間に2年前の出来事を無かったことにしようと頭を働かせるとか、家族の誰も真実を知って一言も責めないとか、都合良すぎる気がしないでもない。もっとショック受けたり荒れるものだと思うのですがみんな人間できててすごいですね。2年間植物状態の身内を介護してたら瑣末なこととして脳内処理できるようになるのか…それともこれまでの絆のおかげか。あと最後のほう泉の受け答えがやたらと可愛らしく感じられたのと、最後まで叶さん呼びなのが気になりました。同い年なんだし叶さんは泉ってよぶし、対等に名前で呼び合ってほしかった。
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