青を抱く
」のレビュー

青を抱く

一穂ミチ/藤たまき

青が溢れる

ネタバレ
2021年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ BL小説です。私、小説は完全に作者買いでレビューやあらすじ全く見ないで読んでるので、普段の小説レビューはなるべく細かい内容に触れないようにしてます。この作品はネタバレなしで読んで大正解。
けれども、書いたことに相反してますが、この作品については思いっきりネタバレで語りたい〜。深夜2時に目が覚めてランチタイムクーポン待ちながら読んでたら(時差で深夜クーポンなのですよ)良すぎて止まらなくて朝まで一気読みしてしまいましたよ。
あーすみません、やっぱり我慢できないので少しだけネタバレで語らせてください。

2年前に海で溺れて眠ったきりの弟、靖野を毎日病院で献身的に面倒をみる泉。海岸でゴミを拾いながら日課の散歩をしていて出会った宗清は、何故か靖野にそっくりだった。。という始まり。母子家庭で育った宗清は母親を前年病気で亡くし、長期休暇をとってしばらく海辺の街に滞在しにきていた。
家族に重い病気をもつ経験がある方には、先が見えない看護や弱っていく家族をみていく辛さの描写が身に沁みると思います。だけどもちろん、苦しいだけではなくて、青が入ってる名前、青い空と海、キスをしたプールの飛び込み台から遠く微かにみえる水平線、青、青、青が溢れる恋物語でもあって。
何気ない会話に伏線はりまくりで、あれといくつか違和感があったら、あとでそうだったんだーと納得して読み直しましたよ。何故か最近あるテーマもの続けて読んでたので、途中でこれも偶然同じテーマだったとわかって驚愕、そのあと明らかにされてく衝撃の事実、あの日の夜の出来事、取り戻せない過去にもう涙涙。。
ミチ先生、作品にはいつもキラーワードがあります。今回は「抱き合って堕ちよう」「一生誰にも言えなくて一生忘れられないくらい」ですかね〜。うわぁ。こういう言葉を言えてしまう彼、後半のさあ待ってました初めてなのに濃厚エチは、経験に裏打ちされてるからかとても意地悪でそこがまた魅力的でもう。。。言葉にならない。ミチ先生、濡れ場描写ほんとうにお上手。
long hello + assort mixに番外編3本収録されてますので、読み終わったらぜひ。
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