この漫画を初めて読んだ時、正確に言えば、1巻の扉絵を見た瞬間に、yamaさんの「春を告げる」が、脳内で再生されました。漫画の舞台は、少し未来の九龍城砦で、歌の舞台は、東京。全く舞台は違うのに、何故なのだろう。春を告げるの歌詞の何とも言えない
エモさと、ポップだけどノスタルジックなサウンド、漫画の少し湿っぽい熱気が伝わってくる、行ったことはないのにどこか懐かしい気持ちを感じさせる九龍城砦での描写。緩やかに、だけど確実に終わりへと向かっているようなそんな終末感のある雰囲気が、リンクしているからでしょうか。今でも、この漫画を読む時は、「深夜東京の六畳半〜」が流れてきます。
この漫画は、基本的にミステリーロマンスであると思いますが、何故だかどうして、こんなに切ない気持ちになるんでしょう。読んでいると、時々、自分が何か本当に大切なことをすっかり忘れてしまって、それに全く気が付かずに生きているような気分になります。多くの漫画を読んできましたが、こんな感覚を体験できる漫画は初めてで、本当に本当に大好きな作品です。
眉月先生の漫画は、絵、特に女性が本当に艶っぽく、唯一無二の色気と空気感作りが魅力だと思っていて、今作も繊細で作り込まれたストーリーと相まって本当に素晴らしい作品になっています。ぜひ、多くの人に読んでいただきたいです。
最後に、もしアニメ化するのならば、ぜひ、yamaさんの春を告げるをエンディングに、お願いします!!!笑
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