単行本から続きが気になり連載版に手を出してました。
この先どうなっていくのかすごく楽しみな作品です。
あらすじ的にはよくある転生モノ。
主人公は現世で亡くなり、気づけば前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢になっていた…というお
話。
前世の記憶が蘇った時点で、悪役令嬢の性格ではなくなるので、そこから未来を変えていく…というストーリーです。
本当によくある転生+悪役令嬢モノだと思います。
しかしこの作品は良い意味で他とは一線を画しています。
まずキャラクター設定がしっかりしており、尚且つその詳細をしっかりと描写してくれているおかげで、世界観に入り込みやすいです。
読んでいてキャラクターに愛着が湧くし、そのキャラクターがどのように成長していくのか早く見たいし、見守りたくなります。
他作品では、似たような内容でも薄っぺらく感じてしまうようなストーリー進行が多々見受けらます。
しかしこの作品では、本当に真剣に描いてくれているおかげで真剣に読むことができて、時にはキャラクターに感情移入して涙してしまいます。
そしてこの作品の面白い所の1つが、主人公が前世の記憶を取り戻す前の、ゲーム内のままの悪役令嬢だった場合、驚くほどのゲス女ってことですね。
悪役令嬢史上最も極悪なんじゃないでしょうか…。
義弟を騙して奴隷契約を結ばせて実の母親を殺させるとか、想像しただけでゾッとしますね。
実際は起きない出来事なものの、本当だったらこうなっていた…という本筋のお話もちゃんと夢扱いみたいな感じで作品に盛り込んでくれているおかげで
ただのラブコメにならず、常に緊張感をもって読むことができます。
実際には起きていないので、シリアスとまではいかず本当に程よいバランスで楽しめます。
"起こったかもしれない未来"を常に意識している主人公は、自分が全力で助けた相手に対して
「もしも私が悪女になったらあなたの手で殺して欲しい」と懇願します。
助けられた側からしたら、聖女のように見える彼女が、そんなことを言うのです。
あるはずがない未来に怯える恩人を前に、彼女のことを守りたいと誓う攻略対象達。
その発言さえなければ完璧な強い人に見える彼女の、唯一の弱さが垣間見える瞬間ですね。
そんな部分を知ってしまったら、守らずにはいられない。
絵もとても綺麗で最高のコミカライズだと思います。
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