オメガバはあまり読まないのですが、表紙のデザインが好みで気になっていました。ずっと心に引っ掛かっていて購入まで時間を要しましたが、嗚呼 これはパンドラの箱を開けてしまったようです… オメガバの起源 アダムとイヴに選ばれた高校生2人の、その始
まりの瞬間から運命を受け入れ愛を知るまでの7日間の物語。高校 2年生でクラスカースト上位の西央と下位の喬は接点が無く話した事もない。ある時2人の手が触れると西央の首元からフェロモンが放たれ、喬だけが反応する。授業中 突然発情した西央を保健室に連れて行こうとするが、そこまで持たずに体育倉庫に避難する事に。そして本能の赴くまま、欲するままに何度も体を重ねる。喬は 体の興奮が収まらず、まともに歩けない西央を倉庫に匿い身の回りの世話をする。食べ物、着替え、毛布、暖房を用意し、体を拭き、アリバイの手伝いも。一日一日と延びる中、体の変化、心の揺らぎ、不安がのし掛かるが、冷静に自分達に起きている事を受け止め分析する 。そして「ヒート」に辿り着く。西央の体に起きた現象は余りに突発的で過激で制御がつかず、恐ろしかっただろうと思います。喬もコブが出来るなど人間の体には起こり得ない変化に怯えた事でしょう。そして無尽蔵の性欲による性行為は脳内麻 薬の様な快楽をもたらし、人によっては自己を失っていたかも知れない。こんな計り知れない困難を、まだ幼さの残る2人の高校生に与えるなんて神の身業か、人間の進化か… 私はきっと彼らは選ばれたのだと思います。試練を与え、それを乗り越え、共に手を取り生きていけるか試された。そして証明したのだと。「その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くす事を誓いますか」と、神から壮大な誓いの言葉を問われて、見事に「YES!」と応えた喬に盛大な拍手を送ります。そして西央にも。下巻P.205〜207の手を握って眠りにつく2人。「なんとかなるよ」と喬の言葉と眼差しに涙が溢れる西央。その涙には不安、喜び、安堵 全てが詰まっていて胸を締め付けられる。「なんとかなるよ…俺が一緒だから…」と伝わったのでしょう。喬もそう伝えたはず。この時に、深い所で繋がったのだと思います。オリジナリティに溢れたオメカバの起源と痛い程の純愛と素晴らしい画力の作品に出逢えて感動、幸せ!
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