ある日、レノティ侯爵家の長女・アラベラが失踪した。長女の失踪により、家門の継承のため、やむを得ず産んだ子――それが次女・アニータだった。だが侯爵夫婦がアニータを愛することはなかった。彼らはアラベラだけを見ていたから。ひどい扱いを受け心を閉ざしたアニータだが、唯一本音を打ち明けられる人物がいた。ラケイド大公家の大公子・アクシオンだ。彼女の友人でもあり、婚約者であるアクシオン。彼がいるだけで幸せだった。そんな最中、失踪していたアラベラが現れた。両親は喜び、アラベラに全てを与えようとした。そう…アクシオンまでも。他の物は渡しても、アクシオンだけは渡さない。アニータはそう誓った――。