「深窓の白百合」と噂される伯爵令嬢・シャルロット。だが、その姿は父に仕立てられた虚像にすぎなかった。本当の彼女は、密かに剣術を極めた、強さと優しさを併せ持つ少女だったのだ。ある日、病弱な双子の兄が、過酷な騎士学校への入学を命じられる。兄を守るため、シャルロットは長い髪を切り、剣を手に取り、男としてその道を歩む決意を固めた。男装して騎士学校へと向かった彼女が再会したのは、冷酷と名高い婚約者──“氷血の騎士”アレクサンドル。かつて彼は、淑女としてのシャルロットに良い印象を持っていなかった。しかし今、彼の視線はなぜか優しげで…?交わらぬはずだったふたりの想いが、静かに動き出す──