読んでて面白いことがまず大切にされてると思えて、楽しみに頁めくりして読み進められる明るい作風。18巻迄読んで書いている。全23巻。あと5巻は当分先になるので。
主人公由希の頑ななところが可愛くないと思う向きもあるかと想像するが、漫画らしく
極端なエピも、それが由希のキャラなのだ、という前提に立てば笑えるし、むしろそのイタイところに共感する部分も覚えて、却ってその意固地さが同性としては対極に振り切って可愛いとさえ私は感じた。
再三再四由希はすげなくするが、現実ならそんな男の子は居ない、成瀬はその点が少女漫画の主人公の相手役なのだ。
逃げつ追いつつで彼女は彼の真意を計りかね、センパイを追うことを我が身可愛さで簡単に引いたりしない彼の大胆強引なめげない執着ぶりが微笑ましい。此が彼に魅力がなければ、ただただしつこい輩に陥るのだが、そうならないのが少女漫画を読んでる意義。こういうやり取りが逆にかわいい。
そして、時々の積極性による彼のアピールは、男性の魅力に繋がる。こういうロマンチックコメディの要素をきっちり盛り込んでいて、ギリギリでかわしながらも、ちょっとドキドキを高めていて、展開の緩急がとても良い。
袴田クンがただの二枚目当て馬だったらごく普通の話で終わってしまいそうだったところ、妙にメインキャラどちらともなにかと縁があり(あり過ぎだけど)、可愛そうな位の振り切ったレベルに狂言回し的に二人の間に入ってきて、袴田くんには気の毒だけど、話の楽しさを増している。
絵は時々時間がなかったか、と思うものの、読みやすくバスケットボールシーンの汗とか感じられる。
由希と成瀬の関係を23巻最後まで楽しみに成り行きを見たいと感じさせてくれる。(調査済みでストーリーは知っているが、もちろん私はストーリーを知りたくて読んでいるのではないので)
長いけれどあっという間の気がする作品だ。(毎日無料連載で読んできた。)
読み終わると、二人はこうしてこれからも行くのね、と、読み手の安堵を掬い取ってくれた。
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